今回は働き方改革関連法についての記事の最終章っていうことでまとめていきたいと思います。まずはじめにこちらのページにGoogle検索からお越しになった方へ、part,1からpart,2と読んで頂くと、お話の流れが、より一層理解できるかもしれないのでよろしければご覧ください。

はまさん、こんちにちわ。今回でいよいよ最終章っていうことなんだけど、最後にどんなことを話してくれるのかな?

とらこさん、こんにちわ。そうだね。今回で最終章になるんだけど、今回は有休に関することと残業上限ではなく残業代に関することをお話しようと思っているよ。

わかったわ。有休に関しては多くの人にとって法改正された後も有利に働くと助かるわね。残業代についても今より残業代が減るとかっていうのは困るわね。どんなのか早く知りたいわ。はまさん、よろしくね。

そうだね。とらこさん以外にもこの ブログを読んでくれている人も結構いるから、そういった人達にも、少しでも分かりやすいように頑張って書いていくね!
1人1年あたり5日間の年次有給休暇の取得を企業への義務づけ
これまでは労働者が自ら申し出なければ、年休(年次有給休暇)を取得できませんでした。ちなみにこの有休というものは社会人の方からすれば、馴染みの深い言葉でなんのことかは十分把握していることやと思いますが、社会人未経験の方向けに説明すると、有休の正しい名称は、年次有給休暇といって給与の発生する休日のことを言います。
そもそも有給休暇ってなに?
社会人1年生にもTRASPOはわかりやすく解説していきたいと思います笑。有休休暇(年次有給休暇)とは法律で定められた労働者(働く人)に与えられた権利なのです。正社員やパートタイム労働者(パートさん)などの雇用区分に関係なく以下に挙げる要件を満たす全ての労働者に年次有給休暇(以下有休と記す)は付与されます。その要件とは…
- 半年間継続して雇用されている(同じ事業所に…)
- 全労働日(入職してから現在までの公休や欠勤を除く出勤可能日数)の8割以上の出勤
この2点を満たしていれば有休を取得する権利が発生します。ただ厚生労働省のホームページではアルバイトは取得できるのかが明記されていないためアルバイトに対しては発生しないものとして考えても間違いはなさそうです。次に有休の付与される日数についてみてみましょう。
継続勤務年数 | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 |
付与日数 | 10 | 11 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
週所定労働日数 | 1年間の所定労働日数 | 継続勤務日数 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6,5以上 | |||
付 | 4日 | 169~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
与 | 3日 | 121~168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
日 | 2日 | 73~120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
数 | 1日 | 48=72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
労働基準法が平成31年にも改正されてますが、これにより法律の定めるところの有休が10日間以上発生する全ての労働者に対して毎年5日間は確実に雇用主は労働者に取得させなければならないといったことになっていました。
有休休暇取得における注意点
注意1: 「法定の年次有給休暇日数が10日以上」とは、その年に新規に付与された年次有給休暇の日数が10日以上ということで、繰り越した年次有給休暇の日数はカウントされません。また、「全ての労働者」とは、通常の労働者(管理監督者を含む。)のほか、パートタイム労働者等、週所定労働日数が少ない労働者でも、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者は、年次有給休暇の時季指定義務の対象となります。
注意2:「毎年5日間、年次有給休暇を確実に取得させることが必要」とは、「使用者による時季指定」、「労働者自らの請求・取得」、「年次有給休暇の計画的付与制度による取得」のいずれかの方法により労働者に年5日以上の年次有給休暇を取得させるというもので、これらいずれかの方法により労働者が取得した年次有給休暇の合計が5日に達した時点で、使用者から時季指定をする必要はなく、また、することもできないというものです。なお、下記の時間単位の年次有給休暇の取得分については、確実な取得が必要な5日間から差し引くことはできません。引用元:厚生労働省HP
注意3:「使用者における時季指定」とは、使用者は、労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させなければなりません。使用者は、時季指定に当たっては、労働者の意見を聴取しなければならず、また、できる限り労働者の希望に沿った取得時季になるよう、聴取した意見を尊重するよう務めなければなりません。
注意点は、そっくりそのまま厚生労働省のホームページから引用してきたので間違いなく公式見解なので問題はないと思われます。噛み砕いて説明するとだいたい以下のようになります。
- 正社員雇用であれば勤務年数半年で10日発生するため難しいことはないですが、問題があるのはパート雇用の場合です。勤務年数が長くても1週間のうちに労働にでる日数が少ない場合まとまって有休が10日発生するのは極めてハードルが高いということです。今年は6日発生で翌年6日発生して12日有休があったとしても繰越ができないため対象からは外れるよってことです。
- 春頃・夏頃・秋頃・冬頃のいついつ。といった感じで労働者側から季節を指定して取得する場合・先週休んだところを有休で処理してほしいんですけど…・労基法に基づく会社が定める計画的な有休の付与などを含めて合計で5日に達した時点で労働者は、もうわがまま言えないですよ−。ってことです。
- 時季指定については労働者の意見を尊重してなるべく希望に沿ったタイミングで有休を付与しましょうねってことです。
働き方改革関連法でこんなふうになる

こんな風に会社のほうから〇〇さん有休いつ欲しい?って聞いてきてくれると同僚への気兼ねや自分から有休を申請するときの申し訳無さからくるためらい等の理由も感じなくなるため、働く人々にとっては、ありがたい制度とも言えると思います。また労使協定を締結することによって会社側は有休を確実に取得させなければならない5日間を除いた残りの日数を会社都合で計画的に割り振ることも可能(時間単位の有休付与も行える)なようです。有給取得率の向上は求人情報を出す場合などにも有利なアピールポイントとなるため、自社のブランドイメージ向上のために有給取得率向上に取り組む企業も今では結構多いです。…ここまでが年次有給休暇についてです。
月60時間を超える残業は、割増賃金率を引上げます(25%→50%)
見出しにもあるように、法改正前(現在)所定の残業時間を超えて残業した場合は、月60時間超の残業割増賃金率が、大企業は50% 中小企業は25%ですが、法改正後は月60時間超の残業割増賃金率が大企業、中小企業ともに50%※中小企業の割増賃金率を引上げとなります。
また、労働時間の状況を客観的に把握するよう、企業に義務づけられます。

客観的に把握できるように…ってことは、誰が見てもはっきりとわかるようにすることなんだ
これは憶測ですが、監査などが入った時に従業員の労働時間管理についての書類などの提出などがもとめられる場合もあるかもしれないですね。そういった場合に客観的に把握できる資料を用意できる準備くらいはしといてくれよなぁー。ってことなんですかね。知らんけど…笑。
働き方改革関連法についての考察まとめ
ここまでで働き方改革関連法について運送業界に影響がありそうな項目をいくつかに絞って取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。
残業時間上限規制・勤務間インターバル制度・年次有給休暇制度・月60時間超の残業手当50%。このあたりが特に運送業界に影響をもたらすものと個人的には感じています。これまで以上に労基法を会社が犯した場合の代償が大きくなるため、慎重になる事業所も増えると予測されます。
働く側としては会社の規定・取り決めに従って仕事をすることしかできませんが、会社の方からしても働かせたい(残業もっとさせたい)と思いながらも残業時間の上限規制が念頭にあり、さらに追い打ちをかけるかのように月60時間超の残業には、これまでに比べて更にプラス25%の上乗せで支給しなければならず、残業はもうあんまりさせられないな…という思考に着地することは容易に考えられます。
今後はますます副業有りきの時代になっていくのかもしれないですね。
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